「ふぅー、疲れたぁ…」



…ホウキに乗って、ただ黙々と進み続ける事10時間。



俺はホウキから降り、北の大地に足を付いた。




――ここは、俺の故郷でもある、ナギという場所。




ナギは、国内で最北端に近い場所にあり、俺が通う魔法学校周辺の町とは、景色全てがまるで違う。




白い入道雲がモクモクと浮いている青い青い空。




薄い黄緑色の大地と共に、家が少ないこの土地では、楽々と地平線が見える。




サラサラと流れる、透き通った川。




全てが、ナギと言う町ではとても美しく輝いて見えるんだ。




更に凄い事が一つ。



それは、全てがありのままの姿で出来ていると言う事。




俺が通う魔法学校付近もなんだけど、最近では、木や山、小川、その他の植物が人工化されている。



理由は、はっきりとは分かっていないらしいが、現在全国各地で、急速に魔法社会が発達しているらしくて、それに追い付けず様々な自然の物が無くなっているから、という事。