そう答えるなり嶺岸くんは目を閉じ、瞬間移動の呪文を唱えた。
そして、あっという間に私の部屋の前に到着。
「あ……ありがと」
「気にすんな」
嶺岸くんはニッと笑うと、またもや目を閉じ、「またな」と言いながら消えてしまった。
私も踵を返し、部屋のドアを開けた。
部屋には、案の定、毎度お馴染みの三人がいた。
「あっ、佳奈!
具合は大丈夫なの?」
…と、心配そうに聞いてくる鈴。
「佳奈ぁ~!
大丈夫なのぉ~?」
…と、私にしがみついてきた槇。
「佳奈っ!
めっちゃ心配したんだよ?」
…と、服を畳みながら聞いてきた藺子。
私、皆に迷惑掛けちゃったかな…。
「皆、迷惑掛けてごめんね」
私がそう謝ると、三人はほぼ同時にふるふると首を横に振った。
「そんな事無いって!」
そう笑顔で言った鈴。


