でも、自業自得だ。
私が、勝手にあの女の子と付き合っているんだと思い込んで決めつけてるのかもしれないのだから。
本当は、違うかもしれないのに……。
あの時の私には、心に余裕が無かったのかもしれない。
今だって、そう。
「ホント私、最低だよね…」
そんな事を考えていると、嶺岸くんが二つの鞄を持って帰って来た。
「お待たせ」
「ほらっ」と嶺岸くんは私を魔法で起こし、鞄を手に持たせてくれた。
「ありがと」
私はペコリとお礼をして歩こうとすると、「待てよ」と嶺岸くんに袖を掴まれた。
「…送って行く」
「えっ?そんな………悪いよ」
「…良いから!
……送らせろ」
嶺岸くんがイラついた口調で言ったから、コクコクと頷くしか無かった私。
「お前の寮ってどこだ?」
嶺岸くんに聞かれて、ボーッとしていた私は慌てて答えた。
「あ……三棟の一番左の部屋」
「…分かった」


