一人で泣かないで

良誠side

「お前はカノンのもとへ行くのだ。」

母と父が喜んでいる。そして泣いている。
どうして僕が…と思った。しかし、すぐにわかった。

「嵯峨夜 良誠。お前は病気だ。その病気を遠ざける為、お前に決まったのだ。」

「はい…わかりました。」

そして僕は連れて行かれたのだ。
そこで出逢った彼女。

「貴方は…誰?どうして此処に来たの?」

「私は生け贄です。」

「私は貴方を食べたりしないわ。」

そう言って泣きそうな顔をする。僕はドキッっとした。

「貴方…名前は?」

「良誠です。」

「敬語は止めて?貴方。私と友達になって!」

「カノン!?どうして抱きついてきたの!?」

「初めての友達なの!嬉しくて…。」

それが僕とカノンの出逢いだ。