もー…陽菜…どこ…



俺は、陽菜が行きそうなところを探し回っていた。



売店にもいない、屋上にもいない…



響紀に聞こうかとも思ったけど陽菜が嫌がりそうだからやめた。



ずっと急ぎ足で探し回っていると…



裕也「あ、いた…」



病院の窓から見えた中庭。



その中庭のベンチの下にしゃがみこんでいた。



俺は急いで中庭に行った。



裕也「…陽菜‼︎」



陽菜はビクッとして立ち上がったと思えば…



裕也「は?ちょっと!陽菜!」



逃げた…



しかし、あの小さな陽菜が俺に叶うはずもなく…



裕也「…つかまえた。」



陽菜「はなして…‼︎」



陽菜は掴まれた腕をぶんぶんふった。



裕也「陽菜、落ち着いて。」



俺は陽菜の両腕を持った。



そして、屈んで目線を合わせた。



裕也「陽菜?どうしても入院いや?」



陽菜「いや!」



裕也「なんで?」



陽菜「痛いことするもん…点滴とか注射とか…吸入もしたくないのっ…」



陽菜の目には涙が溜まっていてもう流れてきそう…