Le Petit Princesse

部屋には豪華な調度品があり、ベッドも布団もレースなどがあしらってあり、見るからに豪華な部屋であった。




フローラはベッドにダイブすると、そのふわふわさに驚いた。


「今すぐでも寝られそう…。あ、でもこんな汚い身体でベットに上がっちゃダメだわ！」



そうしてフローラは、まずシャワーを浴びる事にした。


フローラはシャワーを浴びていると、ふとあることに気が付いた。




ーー私、記憶がないはずなのにどうしてシャワーが使えたりするのかしら？

ーー私って前は何だったの…？


シャワーから上がると、ベランダが目に入った。


「ベランダがある！」


フローラは嬉しそうにベランダから外を眺めた。


すると、一匹の鳥がそばに寄ってきた。
その鳥は何かをくわえているようだった。




「…何だろう、手紙かしら？」






中を開けると、『フローラ・ローズ様、お帰りなさいませ』と書いてあった。







ーーフローラ・ローズ…？
お帰りなさいませって…どういうこと？
私の名前って…フローラ…









「フローラ・ローズ！私の名前はフローラ・ローズなのね！」





思い出したのか、つい声に出して叫ぶと、隣の部屋のエリックの部屋に飛び込んだ。



「エリック！エリック‼︎」


「どうしたの？フローラ。そんなに慌てて…」


「私ね、私の名前思い出したの！」


「えっ⁈」


「フローラ・ローズよ！」


「じゃあフローラは正解だったってこと？」


「そうそう！すごい偶然だよね？」


「でもどうして思い出したの？」


「この紙が届いたの！」





そう言ってフローラは、さっき鳥が運んできた紙をエリックに見せた。







「お帰りなさいってどういう事なのかな？」


「私にも分からないけど…」







二人が考え込んでいると、ドアをノックする音が聞こえた。




「晩餐の時間です。」




外からメイドが呼び掛けていた。