好きになんか、なってやらない

 
「どういうこと?」
「男の人からして、好きでもない女の人と過ごしたい意味ってなんですか?」
「は?好きでもない女と?
 そりゃ、ヤリたいからだろ」
「……ですよね」


想像した通りの答え。
岬さんだからこそ、ごまかさずそう返ってくると思ってた。


「それが分かっただけです」
「何?お前、川辺にそんなこと言われたの?」
「岬さんみたいにストレートに言われたわけじゃないですよ。
 家に誘われだけです。そのあと、飲みにって訂正されましたけど」
「あー……」


その意図をくみ取って、岬さんも苦笑しながら上を見上げた。

その上、さっき自分とした会話。
こんな地味な女に興味はない。


「……過去にもあったんです。騙されたこと」

「え?」


ふと話したくなった過去。

むしゃくしゃしているからなのか、
岬さんを諦めさせたいからなのか。

それとも……。


「人生初の彼だったんで、本当に騙されたんですけど。
 それ以来、グイグイくる男の人が苦手なんです」


(あいつ、簡単にヤラせてくれたし!
 付き合うなら誰でもよかったけど、アイツにしといて正解だったわ)


男の人なんて、
「好き」の裏には「下心」がある。