岬さんは何か言いたそうだったけど、時間も時間のせいか、むやみにつっかかってくることはなかった。
だけど相変わらず、隣の真央の席を借りて、携帯をいじりながら帰るつもりなさそうだけど。
迎えに来られた以上、追いかえすことは到底無理そうなので、私も無駄な体力は使わず、仕事に打ち込むことにした。
「………おわった…」
「お、お疲れ」
「……お疲れ様です」
あれから20分。
ようやく週末までに終わらせなければいけない仕事が終了。
思わず出た言葉に、岬さんも顔を上げた。
「帰ってなかったんですね」
「そりゃあ、迎えに来て帰ることはないでしょ」
「頼んでないです」
「つめてー」
本当に、いったいこの人はなんなんだろうか……。
迎えに来たって、べつに彼氏でもなんでもないのに……。
まさか一度家に帰ってからとか……
「すぐ近くで飲んでたの」
「あ……そうですか」
目で、何が言いたいのか伝わったのか、聞く前に返事が返ってきた。
確かに、8時過ぎごろ、集団が飲みに行く雰囲気で会社を出て行ったっけ。
その中に岬さんも入ってたのか。

