好きになんか、なってやらない

 
そのあと、何枚か写真を撮ってもらった。
前回のような、さっと撮る一枚ではなく、ちゃんとメイクをしてもらって髪形もセットしてもらって。

それなりにしっかりと撮ってもらった。

何千枚も撮るモデルさんとは、ほど遠いけど。



あー、また載っちゃうのか……。
凌太は人様に見られてもいい顔してるけど、私を全国にさらすとは……。

ネット情報とか、見ないようにしよ。


一通りの撮影も終わって、お疲れ様の合図も出た。


「帰り、何か食ってく?」
「そうだね。甘いもの食べたい」
「近くにショコラの店があった気がする」
「行きたい」


ほっと息をついたところだった。

スタッフの人にも挨拶して、エントランスへ続く廊下を歩いていると、




「凌太っ!!」




ふいに聞こえた、隣の彼を呼ぶ声。

顔を上げた先にいたのは、何度も目にしたことのある一人の彼女の姿で……



「やっと会えた……」



そう言って、彼女……美空ちゃんは凌太に抱き着いた。