好きになんか、なってやらない

 
いや、気のせいか。
他にそんなカップルが……


「気のせいじゃねぇから。
 俺らのこと言われてんの」

「え……」


まるで人の心を読んでいるかのように、凌太が突っ込みを入れた。

信じられず、眉間に皺を寄せて見上げてしまう。


「何その顔……。注目されてんだから、もっと笑ってろよ」
「いや、全然意味わかんない」


注目されるとか、ほんと意味分からない。

今までの私は、地味で暗くて、真横を通っても誰も振り返らない感じ。
逆にいかにも男慣れしてなさそうなって意味で、声をかけられることはあったけど。


「みんな気を遣ってるんでしょ。
 凌太だけをカッコいいって言ったら、隣の女が可哀そうだって」

「お前分かってねぇなー。
 ……ほら、こっち見てみろ」

「ちょっ……」


グイと腕を引っ張られて、横にあったショーウィンドウの前に立たせた。

ディスプレイが何か?
と思ったけど、凌太が見せたいのはそこにある店頭のものじゃなくて……



「俺ら、すげーお似合いだと思わねぇ?」
「……」



ショーウィンドウに映る、自分たちの姿だ。