好きになんか、なってやらない

 
「ほら、さっさと書類よこせ。
 本当に終電なくなるぞ」

「あ、はい」


時計の針は、23時10分。
本当に、急がないと間に合わない。


すぐにまとめた書類を岬さんへと渡すと、彼は大きな音を立てて、次々とホチキスで留めていった。








「なんとか終わったな」
「はい……」


無事に書類をまとめ終え、終電を逃すことなく駅のホームへとたどり着いた。
必然的に、一緒に帰ってしまうことになったのが気にかかるけど……。



「あの……。ありがとうございました」



でも彼のおかげで、最後までやり終えられたので、ここはきちんとお礼を言うべきだと思った。


「いつもそうやって素直にしてれば可愛いのに」
「……余計なお世話です」
「まあ、俺はどんな玲奈も可愛いと思うけどな」
「……」


だから私は、あなたのそういう態度が苦手なのだ。