「出ねぇの?」

「いや…、出る」


素肌の上にベッドの下に落ちていた自分のパーカーを羽織って廊下に出る。

背後で電話を気にする彼の視線を感じる。



「はい…、もしもし?」

『メリークリスマース!出るの遅いよ、紫苑。』

「ごめん、びっくりして。」

『本当はあと6時間くらい早く電話するつもりだったんだけどさ、仕事に埋もれてて。』

「そうだったんだ…、電話ありがとう。」

『紫苑は?今日何してたの?』

「今日は……女子会?そう、友達の家で。」

『そっか。楽しそうで良かったよ。』

「うん。そっちは忙しそうだね…」

『まぁね。でもそろそろ戻るんだ、そっちに』



「え?」