オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~

「一人や同性の友達とそんなとこ行く?」

「~~彼氏と一緒でしたが、何か?」

「いや、別に。……彼氏いるんだ?」

「……います。でも、いないようなもんです」

「ふーん」

そう言うと彼は黙ってポテトをぱくっと食べた。

ちいさい口唇だなぁ、渡海さん。

アゴのラインもしゅっとしてるし。

箱の中に入れて、一日中見ていたい。

その小さい唇をカップにつけて、コーヒーを飲んでいる。

「あっ。梨聖」

誰かが私を呼んだ。声のする方を見ると、

さっきまで一緒に海に遊びに行っていた大学の女友達だった。

「どしたの? 急に消えて」

帆乃香はトレイにハンバーガーをのっけたまま、こちらへやってきた。