オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~

「ね、夢くんの誕生日はいつ?」

「2月」

「そっか。あと数ヶ月ね。何か欲しいものある?」

「ん~」
 
夢くんはあごに拳を当てて考える。

「なんだろうな」

「財布? 時計? 洋服?」

「……思い浮かばないな」

「そう。じゃあ、サプライズプレゼントを考えておくわ。こんなこと先に言ってる時点で、サプライズじゃないか。はは」

「――」
 
夢くんは何も応えずに、黙って海を見ている。
 
その横顔にどきりとする。
 
やっぱり、かっこいい。
 
私の王子様。