オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~

「そうなんだ。私はまだ乗ったことないから解んないけど……苦手なの?」

「うん。揺れるのが怖くて、気持ち悪くて。屋外の席なんか、真夏でも風が冷たいんだよ」

「ジェットコースターは好きなのに、船は苦手なんだね」

「うん」

「確か、飛行機も苦手じゃなかったっけ」

「そうだね」

「じゃあ、夢くんと旅行に行く時は、電車か車だね」

「そうなるね」

「いつか、行こうよ。どこか遠いとこに」

「行けるといいね」

「冬休みを利用して、行かない? 私温泉がいいな。雪を見ながら露天風呂入りたいな」
 
夢くんは立ち止まると“座らない?”と私を促した。
 
座った砂は冷たくて、驚いた。
 
夏場は裸足で歩くと、ヤケドしそうなくらいに熱いのに、季節って巡るんだなと思った。