オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~

お化粧に、あたらしいお洋服、完全武装だ。
 
何だか、いつもとは違う自分のようで、ちょっと浮き足立つ。
 
ああ、どっかお出かけしたい気分。
 
お店を後にすると、鈴は私の手を引いた。

「行こう」

「行くって、どこ」

「いいから」

「私、待ち合わせあるんだけど」

「夢大さんとでしょ」

「うん、そうだけど……」

「その前にちょっとつきあってよ」

「ね、見せたいものって、何」

「いいから、いいから」
 
私は鈴に手を引かれるまま、屋外へと出た。
 
そして、私たちは無言のまま、小走りで急ぐ鈴に促されるまま、アーケード街に来た。