オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~

具合悪くさせたのなら、私の責任だ……と思っていたけれど、それを聞いてほっとした。

「夢大さんって、どこか悪いの?」

「ああ……ちょっとね」
 
言葉を濁す夢くん。

「ぜんそくなんだって」
 
私が彼の代わりに応える。

「え~、大変そう。じゃあ、激しい運動とかできないんですか?」
 
こんな話題でも、鈴の話すトーンは変わりない。

「いや、大丈夫」
 
大丈夫じゃないじゃない――私はこころの中で呟く。
 
学校で走りこんで保健室に倒れこんだこともあるみたいだし。
 
夜中に呼吸困難を起こすこともあるし。
 
秋から冬へと、季節の変わり目だから、ちょっと今はしんどいのかな。
 
あまり深くは知らないけれど。

「じゃあ、俺は行くね。梨聖ちゃん、無理しないでね」