オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~

何だか、鈴、やけに夢くんに話しかけてる。

「あ、帆乃香ちゃんも鈴ちゃんも、何か飲む?」

「あ、やっさし~、甘えちゃおうかな」
 
帆乃香が云う。
 
彼女も、夢くんに興味津々のようだ。
 
そりゃ、素敵なひとだけれど、夢くんは私のものなんだぞ。
 
と、ちょっとジェラシーを感じてしまう。

「私、おしるこ~」

「レモンティがいいな」
 
帆乃香に続いて、鈴が甘い声を出す。
 
夢くんが席を立った隙に、鈴が小声で言ってきた。

「いいひとじゃん、梨聖にはもったいないよ」
 
そんなことを云われても、私と夢くんは通じ合ってるんだから。
 
ふたりを壊すものなんて、何もないんだから。
 
私は鷹揚に構えていた。

「はい、おしること、レモンティ。熱いから気をつけて」