オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~

鈴からだった。
 
さっき倒れたことを心配してくれていたのだろう。

『生協前のラウンジ。心配かけてごめんね』
 
私はそう返した。

「さっきの、お友だち? はい、お茶」
 
コーヒーの缶を左右に振りながら、夢くんが戻ってきた。

「ありがとう。そう。心配かけたわ」

「朝ご飯はちゃんと食べなきゃね」

「ごめんなさい……」

「謝ることはないよ。お陰で、きみのこと堂々と抱くことができたし」
 
いたずらな笑顔を、彼は向ける。

「お恥ずかしい限りです……」
 
私はおにぎりを食べ終え、スープも最後までずずっと吸ったところで、声がした。

「あ、いたいた、梨聖~」
 
帆乃香と鈴だった。

「さっきはごめん」