オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~

おにぎりと、プリンまで買ってきてくれた。

「ありがとう」
 
きゅるるん、とそこでお腹が鳴った。

「あはは。よっぽどお腹空いてたんだね、どうぞ」

「お恥ずかしい限りで……いただきます」
 
私はスープに口をつけた。
 
身体がほかほかと温まる。
 
そして、おにぎりにも手を出す。
 
セロファンを剥いて、海苔を形作る。

「……あの~、さっきから視線が痛いんですけど」
 
夢くんは前屈みに座り、ずっと私を見ていた。

「ごめん、ごめん。梨聖ちゃんって、食べてるところも可愛いなって。ごめん、もう見ないよ」
 
可愛いな、って、だって。私の体温は急上昇。
 
そんなことをさらりと云ってのける夢くんが好き。
 
そして彼は席を立った。