「本当にちなちゃんはいいこね」

「うん!!」

「ママお仕事行ってくるからね」

「行ってらっしゃい!ママ」

ママは朝昼晩と1日中働いていた

帰ってくるのは夕方。私のご飯を作ったら

また仕事

朝と昼は会社の受付嬢

夜は飲み屋でアルバイトをしていた

目の下にはクマができて飲み屋の洗い物で

ガサガサになった手と割れた爪。

綺麗だった頃の面影は何一つ無かった

けど私はママが好きで

いつも1人でご飯を食べて寝てママを待った

暗い部屋が怖くて

1人きりの家が怖かった。

「ママ…ママ…こわいよ。」