木曜日のオオカミ 




      ガラガラ!!


突然、空き教室のドアが開いた


「あっれー、なんで鍵開いてるんだろ?」

馴染みのない声が響く


そして、ふいに声の主が私たちを見つけた

「あれれ、お邪魔だったかな?」

「おう、柊か」

賢人が彼を見て言う

私と賢人の制服は乱れたままだ


柊(シュウ)と呼ばれたその人はほんわかとした表情でこっちを見ている

「賢人も鬼畜だね~。こんなトコで女の子襲っちゃうなんて」

「こいつは俺のものだからいいんだよ」

「なになに、‘俺のもの’って?」

笑いながら言う柊くん

「そーゆう契約なの」

「ふーん」

珍しいものを見るように、私を観察する柊くん

私は慌てて乱れた制服をなおす


「ま、いいや。あ~でも、あんまりここは使わないでね。ココ僕の秘密基地だから」

「なんだそれ」

「じゃーねー」


賢人の言葉を無視して、柊くんは、手をヒラヒラと振りながらいってしまった