周りに目をやれば、
ちょっと散らかった机
書類の束

生活感溢れるこの部屋は
みんなが忙しく働いた跡が残っている


でも、なんだかここだけは時間の流れが違う

とてもゆっくりと時が流れていく

私と彼だけ何か特別な空間にいるみたい


一度外していた視線を戻すと
彼は相変わらず平和な顔をして眠っている

さらさらとその子犬の目にかかる前髪を
そっと、撫でたくなる私の右手

でも、起こしちゃいけない
触れちゃいけないと、その右手を抑える理性


このむだに真面目気質な理性に邪魔されて

毎度ただ見ているだけの私


ただこのほんわかとした空気に
心をあずけているだけ