LOVE WORLD




あっという間に日が落ちて夜を向かえていた。

優しい先輩はわざわざ私の家の前まで送ってくれた。



「んじゃーな」

『ちょっ!!』


いきなりサヨナラの言葉と思いきや、わしゃわしゃと頭を撫でられた。

お陰で髪は、ぼさぼさ…



「何かあったら言えよ?」

『え…、』

「先輩命令な!」


今度はポンポンと頭を撫でて゛じゃーな゛と付け足して帰ってしまった。

その場に立ち尽くして先輩の背中を見送った。



『よかった、これっきりじゃないんだ』


ホッと胸を撫で下ろした。







…ん


何でホッとするのよっ!!

最悪な噂しかない先輩なのに…っ




でも…



『気になるんだよね…』


うさぎのマスコットをギュッと握り締めた。

頭から…、先輩の笑った表情が離れない…