゛コトッ゛と音と共にテーブルの上に二つのコーヒーカップ。
「カフェモカで平気?」
『大丈夫です!ありがとうございます!』
白石先輩から少し大きめなプラスチックのコップに入ってるアイスカフェモカを受け取った。
「ところで、何ちゃん?」
椅子を引いて座った白石先輩が真っ直ぐ私を見て言った。
もう、学年もバレてるし逃げられないもんね…
『愛美、桜井愛美です』
「へぇー、愛美っていうんだ。可愛い名前だね」
フワリと笑う白石先輩に不覚にもドキッとしてしまった。
きっとこれで大半の女子は惚れてるな。
だが、私はそんな軽い女じゃないし騙されるもんか。
『いただきますっ』
気分を和らげる為にストローを加えてゴクゴクとカフェモカを飲む。
コーヒーとココアの味が口の中に広がり冷たさが体の火照りを冷やす。

