「ありがとう、千聖!行ってくる!」




『ふふ、行ってらっしゃい。幸運を祈ってる』





その声とともに、電話は切れた。





上手くいったら、報告しないとね。





大事な親友に。





あたしは、そのままの姿で外に飛び出した。




「どっちに行ったのっ?」





とりあえず、街の方に足を動かす。





なんであのこと、黙ってたの?





言ってくれればよかったのに。





って、言うわけないか。





人の気持ち優先する人だし。





それに比べてあたしは自分のことしか考えてない。





そんな自分が嫌になる。





あ、そこの角を左に……。