「嫌なら拒んで」
え……?
それって……。
「どういう意味っ……んっ」
気づいた時にはもうしていたんだ。
……壱哉とキスを。
「んんっ、い、ちや……」
どんどん深くなるキス。
“嫌なら拒んで”
その言葉が脳裏に浮かぶ。
嫌じゃない、嫌じゃないよ。
だけど、分からないよ。
この状況へどう対応すればいいの?
ふっ、と離れる唇。
あたしの目からは涙が零れていた。
……どんな意味でだろう。
嬉しかったのかな?
それとも、しっかりと想いが通じ合ってないのにキスしたから悲しいのかな?
もう、分かんないよ……。