「……これはヤバ」 「壱哉……?」 「なんでもない」 壱哉が何か言ったけど聞き取れなかった。 ぽんぽん、と頭を軽く撫でられる。 「ちょっと体、持ち上げんぞ」 「え?あっ……」 ひょい、と持ち上げられ下ろされたのは多分壱哉の膝の上。 「え!?ちょ、この状態……!」 いきなりの出来事にあたしは目を開けた。 真っ暗な闇が視界に入る。 「っ……」 「だから目、瞑っとけって」 あたしは再度目を瞑った。 「この方がお前も音聞き取りにくいだろ」 音は別に大丈夫なのに……。