「ありがと。か、風邪引かないでね」
よし、素直に言えた!
壱哉が風邪引いたら困るもん。
せっかくの誕生日なんだし。
「おー、純夏もな」
「うん、じゃ、またね」
あたしがそう言うと、ニッと笑って壱哉はあたしの家の隣にある自分家に入っていった。
「マフラー、貰っちゃった」
壱哉の匂いがする。
なんか壱哉に包まれてるみたい……。
ってあたし何思っちゃってんの!?
決して変態ではない!
あたしはブンブンと首を振って家の中に入った。
心は嬉しい気持ちでいっぱいだ。
でもまさか、お母さんにあんなこと言われるなんて……。