「熱あんの?」
壱哉の手があたしの額に触れる。
「冷たっ!」
手、冷えすぎ!
「は?何だよ……ん、熱はねぇな」
あるわけないでしょ。
あなたにドキドキして赤くなったんだから。
「早く休めよ」
「……どーも」
ふい、と顔を逸らした。
もう今日はマトモに顔見れない。
それから、お互い無言で家までの道のりを歩いた。
「おし、着いたな。じゃーな」
「え、あ、マフラーは……」
「ん?やる。予備として使えば?」
くれるの?
このマフラー。
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