「……っと、悪い。キツい?」 「当たり前じゃん!運動全然してないのに」 「でも、これであったまったろ?」 確かに。 体がポカポカと暖かい。 「もう走んないから安心しろ。行くぞ」 キュッと手を握り、早足で歩き出す。 壱哉の手、あったかいな。 意地悪だけど、優しい。 あたしの口から、意味もなく笑いが漏れた。 「あ、そうだった」 「?どしたの」 「いや、別に。てか、なんで笑ってんの」 ジッと見つめられる。 あたしは慌てて顔を背けた。 見つめないでよ、照れるじゃんか。