「あ、食べ終わったね、あと8分!よし、間に合うからゆっくり行こ」
よかった、間に合った。
「じゃあ、また放課後に!」
「おー、体育頑張れよー」
「ケガしないよう、ほどほどにな」
「はーい」
2人で、パタパタと教室へ戻った。
それと反対に、ゆっくりする大樹くんたちがさっきのことについて話していたのを、あたしは知らない。
「変質者なんて、唯華そんなこと言ってなかったぞ?」
「言わないだろ、だってウソだし」
「は?マジで?」
「ああ、それって知ったら危ないからってことでいいじゃんって、唯華ちゃんが遠回しに」
その言葉と共に颯先輩があたしの仲間から外れたことも……知らない。

