お昼になり、あたしたちは屋上のドア前で待っていた。
大樹くんたちの授業は長引いているらしく、クラスの人1人いない。
「ふわぁ……眠い、」
「眠そうだったね、唯華。苦手な授業は眠くなるよね」
それはあたしも同じだ。
「うん、颯たち早く来ないかなー」
バタバタバタッ!
「ごめん、遅くなった!」
「悪いな、授業長引いた」
2人揃って言うので、唯華と2人で笑ってしまった。
「長引いたって、殿先生だった?」
殿先生とは、殿山先生のこと。
男の先生で、日本史の先生……語り出すと長いらしい。
「そーだよ、もう長すぎてさー、他の奴らも呆れてたよ」

