「わわっ……!」
慌てて毛布を持つ手を離す。
「おっと……よかった、前から行くとこだったな」
倒れる前に大樹くんが抱きとめてくれた。
「ありがと、って前に倒れたらあたし顔潰れちゃうよ!?」
潰れるのだけは、ごめんかな。
「大丈夫だよ、俺が受け止めるから」
その言葉に、キュンと胸が鳴る。
そんなこと言われたら……照れる。
「そんなこと言わないでよーっ!」
「ふ、また照れてる?」
ほら、やっぱり大樹くんには勝てない。
一枚上手(うわて)だから。
「照れてる、大樹くんが恥ずかしくなること言うから……」

