「あたしは必ず、大樹くんを好きになってたよ。だってお見合いで仕方なく好きになったんじゃないもん」
何をどう伝えればいいのか分からない。
だけど、好きなんだもん。
「大樹くんと出会って……あたしは惹かれてたんだよ。大樹くんの優しさ、思い、それ以外の全てにも惹かれてた」
あたしは大樹くんをしっかりと見つめる。
「だから、そんなこと言わないで。今のあたしを見て」
あたしの気持ちを聞いて……。
「昔の好きな人なんて関係ないもん大樹くんは大樹くん。あたしはあたしだよ」
大樹くんの手をキュッと握った。
「過ぎてしまったことはもういいの。今からまた始めればいいから」

