「大樹くんは何も悪くないでしょ?」
「悪いんだよ。今まで何も言わなかったから」
それはあたしが辛いと感じる記憶だからじゃないの?
「嫉妬してたんだ、創さんに。俺より樹里といる時間が長かったから」
「でもあたし、小さい頃から大樹くんのこと好きだったよね!?」
そうだよ、きっとそうだよ!
「創くんがいても、大樹くんのことを好きになるんだよね!?」
そう信じたい。
だってあたしは、大樹くんが好きなんだもん。
「それは違う!」
「え?違うって……」
あたしはびくりと震えた。
こんな大樹くん……見たことない。
何かを抱えてる表情(かお)なんて。

