「まず手、冷やそう」




「っ!?」







大樹くんはそう言うと、あたしを抱き上げた。






「腰抜けてるなら動けないだろ?手、お湯被ったみたいだから冷やさないとアト残る」





水道まで来ると、あたしをゆっくりと下ろす。




水を出し、あたしの手を冷やしてくれる。






「大樹くん……ありがとう」




やっぱり、迷惑かけてばっかりだ。




ごめんね。




そう心の中で謝って、大樹くんに従う。





「いいよ。よし、これでいいかな……で、こっち来て」




あたしは手を引かれるがまま、大樹くんについていく。