「……り!樹里!」




「へ……?」





大きな声で名前を呼ばれて、我に返る。






「樹里、教えてほしいことがある」





「大樹……くん?」





教えてほしいこと?




「遥くんは沙綾に何があったか聞いておいてくれる?俺、樹里に聞きたいことがある」





「分かりました、楠木……行こう」





「あ、うん……」





大樹くんに言われて、キッチンから出て行く2人。




「……腰抜けてる?」





ギクッ!




「え?えっと……う、ハイ」




気が抜けてしまったのか、混乱してしまったのか分からない。





けど腰が抜けてしまった。