「……あ、れ?」 駆け巡った記憶と今が混乱する。 なんで、こんな記憶が出てきたの? あたしの知らない記憶だ。 ……あたしはまだ、知らない記憶があったの? 全て、思い出したんじゃなかったの? 「樹里さんっ、樹里さんっ」 「……ごめ、なさい、ごめんなさい」 気づけばそう謝っていた。 さっき駆け巡った記憶と現在(いま)が混じる。 ……どうして? バンッ! その時、ドアが勢いよく開いた。 「2人とも!何があった!?」 そんな声が聞こえ、あたしはビクリとする。