「やかんのお湯がこぼれたのか!?全く、何してるんだ!火傷したら大変だろう!」 すごい剣幕で怒る男の人。 「樹里ちゃん、悪戯はしちゃダメだ。いいかな?」 え……? あたしの、せいなの? 「あたしじゃ……」 体勢崩したあたしが悪いのかもしれない。 でも、ぶつかってきた方も悪い。 「創、かかってないか?」 「うん、僕はあんまり……でも樹里ちゃんが、」 「樹里ちゃん、火傷はしてないかい?……はぁ、とんでもないことをしてくれたな」 男の人は、小さいあたしの腕を引っ張って立たせる。