「……だいじょう、ぶ……っ!?」
大丈夫、そう言おうとした。
だけど、声と同時にあたしの頭の中にいつかの記憶が駆け巡った。
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「あははっ、はじめくんこっちだよ!」
「樹里ちゃん、待ってよ〜!」
小さいあたしは、“はじめくん”と呼ばれた男の子と走り回っている。
鬼ごっこかな?
あたしたちはパタパタと走る。
そしてキッチンに入った。
「あっ、いきどまりだっ……」
キッチンに入ってしまうと、行き止まりだった。
「樹里ちゃん、つーかまえた!」
ドンッ、と勢いよくぶつかられて体勢を崩す。

