「卒業生、退場」
司会の言葉と共に、大樹くんが去っていく。
3年生の中には、泣いている先輩がたくさんいた。
あたしの隣にいた唯華も、退場していく颯先輩を見て、涙目になっていた。
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「卒業おめでとう、大樹くん」
「ありがとう、樹里」
人気のない中庭。
あたしと大樹くん、唯華と颯先輩は、そこでいつものように喋っていた。
「早かったな、3年間」
「そうだな、ていうか颯、唯華ちゃん泣いてるじゃん」
唯華を見てみると、涙をこらえようとするけど、どうしても流れてしまうみたいだった。

