「左ってなんか意味があるんだっけ?」 「うん、左は幸せが逃げていかないように」 ちなみに右は幸せを掴めるように、らしい。 左につけるのは、大樹くんといる今が幸せだから。 笑顔で溢れたこんなに幸せな日々が無くなってしまったら嫌だもん。 「左でいいのか?」 「うん、大樹くんとの幸せが逃げませんように」 たとえ何か辛いことがあっても逃したくない。 2人で笑ってたい。 「じゃあ、こっちにはめるな」 大樹くんはそう言って、優しい手つきで左手小指にはめてくれる。 そして不意に、言葉を発した。