なぜかホッとして、また見つめてしまう。 あ、見えなくなっちゃう。 と、その時、大樹くんがいきなり振り向いた。 「えっ……」 今、口パクでっ! 「可愛いって言われた……!」 ニッといたずらっ子のような笑みを浮かべた大樹くんに、あたしの顔は真っ赤になる。 ほら、学校ではこういう風にドキドキを味わえる。 あたしも口パクで大樹くんに伝える。 『ダイスキ』 精一杯の想いを込めて。 今度は嬉しそうに笑った大樹くん。 そんな彼を見て、あたしは幸せになる。