考えた矢先に、颯先輩じゃない友達と渡り廊下を歩く大樹くんの姿を見つける。 「あ、大樹くん」 小さな声で言葉に出す。 あたしがいる廊下から近いところにいる。 最近よく、大樹くんを見つける。 ていうか、無意識のうちに目で追ってしまう。 こっち向かないかな……でも他に人いるし話せないよね。 仕方なくボーッと見つめていると、不意に大樹くんがこっちを向いた。 バッとあたしは顔を背ける。 ……今、バッチリと目が合ってしまった。 そーっと、もう一回見てみると、もう大樹くんはこっちを見ていない。