「樹里が俺を選んでくれてよかった」





「え?」





大樹くんの口から出た、聞きなれない言葉に疑問を抱く。







「本当は少し不安だったんだ」





大樹くんが、不安だった?





あんなに堂々としてたのに。





「あの部屋に行くまで、俺すごく緊張してたんだ。もし、樹里が俺じゃなくて創さんを選んでたらってずっと考えててさ」





大樹くん……。





「不安で仕方なかったんだ」





ダサいよな、なんて言う大樹くん。






「ダサくないよ!そんなの誰だって考えるよ!」





つい大きな声を出してしまった。