「もしもし……お母さん?」





『あら、樹里ちゃん?』





え?






『私よ、わ・た・し』





もしかして、大樹くんのお母さん?





「どうかしたんですか?」





『大樹に電話したんだけど、出なくってね……樹里ちゃんはどうかと思って』






「あ、大樹くんは今、お風呂入ってます」





多分もう少しで上がってくると思う。





『あら、そうだったの?タイミング悪かったわ〜』






さほど気にしてなさそうに言う。





『大樹もうすぐ上がるかしら?』





「はい、上がると思いますよ。あ、かけ直しましょうか……?」