あたしは頷いて、大樹くんの服をつかんだ。 「何?樹里」 「ちょっと屈んでみて?何かついてるような……」 そう言って覗きこむ。 そんなあたしを見て、大樹くんは言う通りに屈んでくれる。 「どこ?」 大樹くんがこっちを向いた瞬間。 ちゅっ。 「さっきのお返しっ……食べ物頼んでくるね!」 呆気に取られている大樹くんにそう言い残して、あたしは電話のある隣の部屋に行った。 大樹くんが、嬉しそうに笑っているとも知らずに。