「母はきっと、今日こそ父が認めてくれると思って手紙を樹里さんに渡したんだと思う」 あたし、もしかしてすごく重要な役割を担ってた? わ、忘れなくて本当によかった……! 「本当にありがとう」 「いっ、いえ、良かったです」 あたしはそう言って、大樹くんを見る。 大樹くんはいつもの穏やかな顔で、見守っていてくれた。 「さて、そろそろお開きにしようか。父も行ってしまったし、疲れたしね」 いろいろあって、疲れちゃったなぁ……。