「おめでとう、美和ちゃん」





その言葉が口から出てきた。





あたしも笑いかける。





「樹里ちゃんこそ、おめでとう」




そう言われてまた微笑んだ時。





「そろそろ戻ろう。もうすぐパーティーもお開きになる」





創くんの声に、あたしはあることを思い出す。





「あっ!い、市原さんっ……」






先に部屋を出ようとしていた市原さんを呼び止める。







「樹里さん、何だね」






穏やかな表情であたしを見る市原さんに、あたしはあるものを渡そうとバッグに手を入れる。






さっき女の人から預かっていた手紙を取り出すと、市原さんに向き直る。